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著者のバーバラさんは、自然人類学が専門でアフリカやアメリカの各地でサルや大型類人猿の研究を行ってきた方です。ウイリアム・アンド・メアリー大学の教授です。

いろいろな動物たちを事例に動物たちが人間と同じように「死」に対して無頓着ではなく、家族や仲間の死を悲しんでいると・・・・。

本の見返しには、

動物たちは家族や仲間の「死」を悲しんでいるのか。これまで科学は、人間の感情を安易に動物に投影することを禁じてきた。だがこの数年、死をめぐる動物たちの驚くべき行動が次々と報告され自然人類学者である著者も数年にわたる実地調査によって、その考えを変えざるを得なくなったという。

死んだ子を離そうとしないイルカ、母親の死を追いかけるように衰弱し死んだチンパンジー、仲間の遺骸のうえに木の葉や枝をかぶせるゾウ、さらに猫や犬やウサギ、馬や鳥などきわめて多くの事例が本書では紹介される。

死を悼むという行動は、ほんとうに人間だけのものなのか。そして、人間と他の動物は、それほどかけ離れた存在なのだろうか。

と記されています。

私はヤギを13年間飼育していましたが、ヤギ親子の愛情の強さというのを感じる場面を幾度となく見てきました。動物たちには言葉を交わせなくても通じ合う何かがあるようです。

この本でもヤギのマートルが親友の馬のブランディーの死に対して取った行動が紹介されています。

プロローグ  動物たちの悲しみと愛について

第1章 死んだ妹をさがして・・・猫

第2章 最良の友達・・・犬

第3章 農園の嘆き・・・馬・ヤギ

第4章 悲しみがうつを引き起こす・・・ウサギ

第5章 骨に刻みこまれた記憶・・・ゾウ

第6章 死んだ子ザルを手放せない・・・サル

第7章 チンパンジーのやさしさと残酷さ

第8章 愛と神秘を語る鳥たち・・・コウノトリ・カラス

第9章 嘆きの海に生きる・・・イルカ・クジラ・ウミガメ

第10章 悲しみは種を越えて

第11章 自殺する動物たち

第12章 霊長類の嘆き

第13章 死亡記事と死の記憶

第14章 文字につづられた悲しみ

第15章 先史時代の悲しみ

おわりに

【著者】 バーバラ・J・キング   秋山 勝=訳

【発行所】 草思社

【発行日】 2014年8月25日

【定価】 2200円+税