『御徒の女』 中島要著を読む
中島 要著『御徒の女』を紹介します。
第一話 貧乏くじ 17歳
第二話 船出 21歳
第三話 悲雨 23歳
第四話 紅の色 28歳
第五話 ふところ 32歳
第六話 神無月 42歳
第七話 江戸の土 55歳
御徒20組の長沼家に生まれた栄津の生涯を通して、1830年代の女性の暮らしを描いた作品です。
隣に住む穣太郎に想いを馳せるも、同じ組の御徒同士では結婚することはできないという掟があったようです。結婚を諦めていた栄津は、21歳になった時に縁談が持ち込まれて御徒15番組の國木田善三と結婚する。
姑の千代は、栄津に厳しく辛く当たるが、舅の話によると実は最初から栄津を受け入れ國木田の嫁として恥ずかしくないように躾けるつもりでいたらしい。
当時の舅と姑と嫁の有り様を垣間見ることができる作品です。
Wikipediaによると
「御徒」は、江戸時代、江戸城や将軍の護衛を行う下級武士、つまり騎乗が許可されない武士であるとされています。
現在の御徒町駅周辺には昔この御徒が多く住んでいたことから、御徒町の由来があるらしい。