中山間地を元気にする『里山発電』中村鉄哉著を読む
今や鹿児島県内でもあちこちで日当たりのいい場所で、ソーラー発電を設置しているところを見るようになりました。個人宅でも家の前の空き地に屋根を高くして下を駐車場、上をソーラーパネルを設置しているところもあります。
高齢化が進み休耕田が増えてくる現状を憂えてどうにかならないものかと取り組んだ方がいらっしゃいます。山口県防府市徳地町に生まれた中村鉄哉さん。
ふるさとの荒れていく田畑を見るにつけ心を痛めます。
どうにかして元気の出る里山にできないものかと・・・。
この本には、ソーラー発電を田舎の休耕田地に設置しようと取り組んだ事例が書かれています。
田畑の名義を農地から転用しないで農地のまんまで屋根で発電させる。屋根の下は、養鶏をしたり、少しくらいの光でも生長する植物を植えたりして農地に付加価値をつける。
そのことで、荒れていた里山に元気を取り戻そうと、県の農業委員会や農林水産省に出向いてかけあいます。
<第1章> 里山に生まれて
<第2章> 今、地方で何が起きているのか
<第3章> ソーラーシェアリングのすべて
<第4章> 未来への展望と課題、そして期待
「あとがきの中で中村さんは、次のように述べています。
「地方創生」の本当の形は、地方でも、個人がより幸せで、より豊かな生活ができ、地方にいるからという理由で何かを諦めなくてもいいことではないかと思う。
ものすごくわかりやすいたとえを述べよう。
徳地町の中山間地域で生活していても、年に一度や二度、北海道に行ったり、ハワイに行ったりできるくらいの現金収入がある暮らし。逆の見方をすれば、芝居が見たければ東京に、食いだおれたければ大阪で遊んで、それでも地方で生きていける暮らし。
みんながそうできれば、どこに住むのかを選べるのであれば、きっと地方は再生する。
今朝(2014.12.18)のTV報道では、東京などの大都市から地方にオフィスなどを移転した場合、法人税等を優遇するといった施策が打ち出されていました。